50歳から始める山登り~誰も教えてくれない山のマナーとリスク~③
2023/12/15 栗コラム
■登山における計画と準備
登山に行こうと思った時の準備は、まずはその計画からスタートすることになる。
どこに行きたいのか?どの山に登りたいのか?思い浮かべる山のきっかけは、人それぞれでしょう。
テレビで見た、映画で見た、雑誌で見た、あの山へ!
友人知人に聞いた、あの山が良いよ、と!
SNSでの投稿を見て、行ってみたいと思うこともあるでしょう。
しかし、行きたい山と行ける山は違うのです。
同じ山でもコースによっても季節によっても難易度は変わるし、それなりの装備が必要な山もあります。
そして誰と行くのか?
登山サークルや山岳会に入会していくのか、登山仲間と行くのか、それとも一人で行くのか?
ここでは、登山初心者で、今から一人で始めてみようと考えている人に向けて、書いてみます。
ただ、アウトドア活動において絶対安全ってことは、存在しません。何が起こるかわからないものです。だからこそ、一人での登山はあんまりお勧めできません。
だからと言って、ソロ登山を否定するものでもありません。
まずは、多くの人が登っている山から始めてみてはどうでしょうか?
目的地が決まれば、次にどのようにして現地まで行くのか、どのルートで登るのか、行程はどれぐらいかかるのか。
そんな行程から考えることになるはずなんだけど、ツアー登山の場合は、そんな部分をすっ飛ばして、行きたいと思うツアーに参加申込みをすれば、あとは集合場所に行くだけ!というなんとも手間が省けてしまうことにもなります。
ただ、そんなツアー登山に参加する場合でも、ルートや行程を自分で調べておくことは必要でしょう。
登山ルートや行程を考えるには、登山地図を見ながらになるんでしょうけど、今ならWEB上でも便利なサイトがあって、ヤマプラでは、スタート地点から経由場所、ゴール地点までを、クリックしていけば、標準のコースタイムを計算してくれます。
もちろん地図上に表示されているのは、標準のコースタイムなので、自分がそれよりも早く歩けるのか、遅くなるのかは、考慮しなければならないところです。
これは、経験を積んでいくしかわからないものですから、とりあえずは標準コースタイムで、計算してみましょう。
また、実際に登山をする場合には、事前にYAMAP等のアプリをスマホにインストールしておいて、登る山の地図をダウンロードしておけば、GPSにより今どこを歩いているのかがわかるし、道間違いをした時にも気づくはずです。
多くの人はスマホを携帯しているでしょうから、使える機能は使うべきです。
これにより遭難を防げることもあるはずです。
では、紙の地図や方位磁石は、必要ないのか?
スマホのアプリが使えている間は、ほぼ使うことはないかもしれませんが、これは持っておきたいところです。
スマホが使えなくなった時には、アナログの地図しか使いようがないのだから。
しかし、難しいのは現在位置を知ることです。頂上や尾根筋にいるのであれば、周りの景色からおおよその位置がつかめるかもしれないけれど、樹林帯の中では、相当に難しい。
標識や分岐点等により、常に自分の歩いてきた軌跡を確認していくことが必要です。
もし、迷っていると気づいたのであれば、わかるところまで引き返すしかありません。
また、ホワイトアウト等で、周りの景色が全く見えなくなった時になれば、地図があってもどうしようもない。
頭に思い描いている地図の進むべき方向に向かって、方位磁石を使って歩くしかない。
しかし、それで本当に目的地にたどり着けるものだろうか?かなりのスキルと経験を、要求されるところだろう。
何度も怖い目にあったことがある氷ノ山だが、それだけ魅力的な山でもある。
吹雪となれば数メートル先が全く見えない。
大きな建物でも、相当近くに寄ってから、こんなところにあったんだと、気づく程度。